在宅で暮らす高齢者がショートステイやデイサービスといった介護サービスを受ける場合、一つ一つ契約の手続きなどが発生するため面倒だと考える人も少なくありません。介護サービスの利用者は、身体状況が次々と変化することが多く、別のサービスが必要になっても手続きをしなければ受けられないことによって、現状とサービスにズレが生じてしまいます。そのような状況の中、デイサービスを中心にショートステイやホームヘルプなどのサービスを同じ介護事業所で提供する小規模多機能型居宅介護が注目を集めています。これまでは、上記のサービスを利用者やその家族が必要に応じて選択し、その都度手続きを行っていました。しかし、小規模多機能型居宅介護という新たなサービスが加わったことで、一つの事業所と契約すればすべてのサービスを同じ事業所で受けられるようになりました。利用したいサービスを変更する際に、新たな手続きが必要ないのです。
ただ、介護を提供するスタッフの立場からすると、利用者の状況を見てさまざまなサービスを臨機応変に提供することは、忙しい介護の現場において仕事がさらに増えると感じることもあるようです。逆に、サービスを利用する立場からは、小規模多機能型居宅介護を行う事業所のサービスにばらつきがあると感じ不満を感じるケースもあります。新しく始まった介護サービスですが、介護スタッフの質を向上させるための研修やサービスの体制化など、さまざまな問題が今後の課題として残されているのが現状です。